朝は道端にたくさんの人が小さなイスを出して朝ご飯を食べていた。
大きなたらいで食器をばしゃばしゃあらった水は道路を流れ、
魚や肉の焼けるにおいがたちこめた。
夕方六時ぐらいともなればお店がぽつぽつと閉まり、
店の前にみんなが集まって夕食の準備をはじめたりする。
どこかの屋台の前では煙がたって酒盛りがはじまる。
胸の奥のほうがポッとなる。
めまぐるしいけれどうらやましい光景。
大量の排気ガスと鳴り止まないクラクションと
目に飛び込んでくる物の多さと、
押し寄せてくるものを必死に受け止めるのが精一杯で
正直、1時間くらい外を歩き回るだけで頭がぐるぐる……
めまいのような感覚。
それでもどこかこの街を好きになってしまったのはなんでかな。
さて早朝4時に宿を出発して駅へと向かう。
日が昇る前の駅にはもうたくさんの人がいた。
向かうはベトナムの中部にある街「ホイアン」
現地で調達したチケットは、自分たちのベットをみつけるまで
気が気じゃなかった。チケットと席の番号をなんども確認しながら
やっとこ落ち着く。ホッ…。
ついにあこがれの寝台列車15時間の列車移動のはじまりはじまり。
出発!
つづく…