この子を見た瞬間はっと心臓をつかまれた気がした。
一目惚れの恋のような出会い。
秋山農園さんが連れていってくれた製粉所。
松本さんというおじちゃんがひとり家の横に建てた小さな製粉所。
おおきなおおきな機械なのに威圧感がないのはなぜだろう。
とてもとても愛おしいのはなぜだろう。
秋山さんが大事に育てた小麦は、ここで松本さんがひいてくれる。
そういうことだと心の中で思う…
その粉をつかってパンやお菓子ができる。
とってもとってもシンプルなこと。
おどろくことにこの機械を松本さんが造りだす。
石臼を置いて、そこへ粉を運ぶベルトがのぼって行く。
石臼にすり潰された麦は鉄と絹の布でできた編み目を通って
小麦粉となって落とされる。
この小さな絹の目をくぐりぬけて
松本さんが機械をまわっていろいろと話してくれた。
かっこいい…。もっと話を聞きいてみたいな。